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小説:エイプリル・ヒーロー
男について、紹介は不要である。
なぜなら男はこれから自分を偽るのだ。
人は過去から完全に逃げ切ることはできない。
だが、背を向けるぐらいならできる。
これは、馬鹿が起こした、小さな奇跡の物語。



エイプリル・ヒーロー



舞台はまるで主役に与えられたかのような整い方をしていた。
それもどちらかといえばハリウッド寄り。
ばかおんな枠のエロいねーちゃんが悲鳴を上げたり、貧乏だけど気のいい仲間が拷問を受けていたり、恩人のような存在に裏切られたり、そんな人たちに囲まれた不幸な男が咆哮を上げたり。男の目の前で繰り広げられていた修羅場は、まるで枠組みにつき合っているかのような配役で構成されていた。
「それで、おれはこのざまか」
男は黒服にサングラスを着用していた。それは、どこにでもいるどこにもいない服装。撃てば響くような格好といえば、いややはり恰好はつかない。
男に期待されている役割は明らかに、無個性という個性を発揮することにあった。
胸元の鉄が、ずしりと重い。
この後の展開に想像もつく。
なんか撃ち合いになって、最終的に誰かが死ぬことで幕を引く。誰だって未来予知能力者に目覚める瞬間だ。しかし、周囲の有象無象である男にとっては、それこそが死活問題でもある。
予知にも値しない背景の存在。誰もケアらない無価値。画面を黒くしたり赤くしたりする、絵具といっても差し支えのない人間。求められるのは人間という色であり、人間ではない。
つまり、男がこの場を確実に乗り切るためには、人間にならなければならなかった。
手持ちのカードは、人殺しの鉄の筒のみ。
「撃てば、むしろ殺してくれって宣言みたいなもんだよなあ」
男は所詮チンピラ的存在である。大立ち回りを見せて皆殺しなんてできるような業も持ち合わせていない。
普通に惰性で付き合ってる恋人はいるし、別に死に別れたりした友人もいない。家族ともそこまで不仲ではない。
まったくもって退屈な、語るべき物語など無い普通のグレたガキが男であった。
わりと本気で詰んでいる。
むしろ男のような木端中の木端は下っ端微塵が相応しい。どうしようもない。
もしもひとりのつまらない男が、映画のような状況を丸く収められると考えるならば、それこそつまらない自惚れだと見下げ果てなければいけない。
だから、答えは初めからひとつであった。
状況は緊張感に満ちていて、小さな動き一つで着火する火薬庫と化している。
誰かが動けば誰かが死ぬ。もちろんドラマチックに死ぬか、そうではないか、死の価値に違いはある。
このありふれたどこにでもあるつまらない物語は、終末へ向けて最後のインターバルを迎えているに過ぎない。
目の前の人間たちは纏う雰囲気からして、黒服サングラスとはワケが違う。
その男たちが、動く。懐に手をかけた瞬間であった。
起死回生は、その瞬間であった。
「いちについてーッ!!!」
それは、物凄く寒い冗談であった。もしも監督がいたらメガホンで殴り殺しにきてもおかしくない無茶苦茶。男は、十字路で悪魔に出会ったかのように、それでもただひたすらに未来を願った。
心底、つまらない冗談。それでも。
「よぉおおおい」
懐の拳銃を天高く掲げろ。拳を天に。銃弾よ、怒髪のように天を突け。
銃声が響いた。どーん。
レディ・ステディ・ゴーで始まることなんか決まっている。逃げるんだよー。
男は駆け出した。
誰も男を撃てなかった。当然である。男など所詮は無価値の黒服サングラス。そんなもの放つ無駄弾があるほど、状況に余裕はない。
そんな動きを見せれば、即座に誰かに殺される。静寂という沈黙。それはつまらない男が作り出した奇跡のような時間だった。
しかし、男は最後の最後、出口の手前で立ち止まる。当然だ。数秒間のダッシュで逃げられるほど、修羅場という空間は狭くない。
だから、自分の作り出したどうしようもない空気に蹴りをつけるために、ただそれだけの為に作り出した時間をドブに捨てる。
命を棄てる為にとりだしたのは、携帯電話だった。携帯電話をイジりながら歩くのは危険ですも。携帯電話を耳に当てて、電話が繋がったことを確認した男は、これ見よがしに振り返った。
「愛してるぜ」
その電話の相手が誰だったのか。それはもう問題ではない。ただ、瞬間に男は誰かにとって何者かになった。本当に嘘のような簡単な話。
「そして、さよならだ」
そう。そして、誰かの放った銃弾が男の胸を貫く。もしも拳銃を胸にしまっていたなら、銃弾が受け止められる奇跡も起きたかもしれない。いや、背後から撃たれたからそんな奇跡の余地もなかった。
これが現実だ。非情もクソも無い。現実に期待するだけ無駄とかそんな話だ。つまらない冗談で稼げる時間などたかが知れていて、アイコンタクトひとつでひとつぐらいの銃弾は余る。
それが銃撃戦の合図。それからこの後、まるで何事もなかったかのように目の前のドラマチックは予定調和に落ち着くのだろう。だが、それでもすでにショーはつまらない男に盗まれていた。
血の赤が、桜のように塵散り舞った。まるで春を告げる嘘のような風のように。
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2013/04/01(Mon) | 暴発企画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
挑め。

そういうわけで先日の記事について補足。
自分は惨劇に挑む、とは「原作に挑め」ってコトだと自分は解釈しています。
そういうわけで存分に挑んでやろうじゃないか、と見せかけてエイプリルフール


まあこれだけじゃあまりにもなので、先日の記事では明かさなかった裏エピソードを少々。

魅音が覚醒して罪滅し編の後に続く惨劇に挑む物語が「淵壊し編」です。
詩音に魅音が打ち勝った世界での惨劇を描いた物語が「神し編」です。
実はかなーり細かいところまで構想した上でのこの嘘企画だったりするわけで。
淵壊し編のラスボスはタカノンです。
主人公は魅音です。ちなみに圭一はレナに殺されます。そんな世界です。
神殺し編のラスボスは覚醒魅音です。
主人公は圭一とレナです。レナは途中でKOOLになります。そんな世界です。


ここまで考えておきながら書かない理由は
ぶっちゃけ、自分はひぐらしを最低限を把握しただけで
そんなにしっかりと読み込んでいないからだったりします。それが多分一番大きい。
まあ時間とかの都合も大きいでしょうがね。
そういうわけで、もしも誰かがパソコン版全作と
就職を棒に振っても生きていけるだけの前金と
人生を棒に振らないだけの報酬を弾んでくれれば書くかもしれません。
が、現状ではたぶん絶対書かないでしょうね。

鬼隠し編と暇潰し編以外は本当に面白くて、
やっぱり人気なだけはあったなあって感じでした。
鬼隠し編はアレですよね、アレどう考えてもレナ達「殺る気」でしたよね。
ナタ持って付け回してた人間に「信じて」とか言われてもそれは納得いかないぜ(笑)
それでもやっぱり罪滅し編の超展開は激アツでしたー。あれは良かったすマジ。
全体を通して見れればやっぱり良かったです。
趣味は悪いですけどね(笑)。


そういうわけでエイプリルフールな企画でした。
誰か騙された人がいましたら幸いに思います。
2008/04/02(Wed) | 暴発企画 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top↑
ルール・ピリオド
EX’el BLUE presents...





それは回避されたはずの惨劇と、それに続いた悪夢。

「私は覚えている、この後に起こる惨劇を覚えている」

これは、ほとんどの人が気づきすらしなかった世界。
そして可能性。
罪滅ぼされた世界に続く、誰もが目を背ける、ひとつの未来。





私はこの真実を知りませんでした。

だって殺されてしまっていたから。

私はその真実に興味を持ちませんでした。

だって殺されてしまっていたから。


終わってしまった世界の続きを知りたいと考えたことはありますか。
まだ全てに納得したわけではないのでしょう?



ひぐらしのく頃に改(あらため) 淵壊し編

近日 始動。



....and more...!



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かかった時間はものの1500秒。
それから全ては始まりました。





彼女のお面は上っ面だけで笑った鬼でした。

誰も鬼の面の下にも鬼がいるなんて考えなかったのです。

彼女が背中で背負ったのは罪でした。

誰もその腹に孕んだ闇を知らなかったのです。



これは神に挑む最後の戦い。
運命に抗っていた人間が他にもいたことが、全てを狂わせてしまう悪夢。
覚めない夢の本当の終末。

神の座を巡る戦いをブチ壊したのは他でもない。
ひとりの鬼でした。
記憶の継承が、真の鬼を目覚めさせてしまったのです。

鬼に立ち向かったのは一人の少女。
だけど全ては虚しく終わってしまい、逆に狂気に囚われてしまう。
それでも、諦めない少年をあなたは知っているはず。


敗者しかいない世界で。
今宵、滅菌は開始される。


ひぐらしのく頃に解改(あらため) 神※し編




空中楼閣EXが一切の容赦もなくお送りする新企画。
一切の矛盾も作らず、全てをブチ壊しにする神※しの暴挙。

プロジェクト「ひぐらしのく頃に」近日始動。




.....will come true.......






2008/04/01(Tue) | 暴発企画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
パロンがくれなかった物語
ちょっと色々と更新が遅れそうな気配が出てきたんで
代原置いときます。

続きを読む
2008/03/09(Sun) | 暴発企画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
下の記事の言い訳
というわけで、この一つ下の更新はエイプリルフールでしたよっと。
ホントはもう少し真面目に作りこみたかったんですが
時間等の都合であんな感じになってしまいました。
察しの通り凄い時間かかってないです。

オチがなんだかヘタレてんなあと反省しきりですね。
2007/04/02(Mon) | 暴発企画 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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