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「ライナーノートアナザー」「あとがき」+
ライナーノートアナザー



プロローグ そこにある命
・この、「さあどこから物語を始めようか」というのがまず最初の難関でした。色々と考えたんですが、とにかくいかに入り込みやすい導入にするかと考えた結果、八巻及び九巻の回想シーンを連続して引用する形にしました。これらのシーンに意味と説明をするのがこの「武装錬金ラストエピソード」っていう小説のコンセプトですからね。個人的には狙い通りに物語が運べたと思ってるんですが、いかんせん感想とかをほとんどもらってないのでどうなんでしょうかという次第でもあります。
・原作にないプロローグという形式を使うかどうかは少々悩みました。実はこの段階でエピローグの話がほぼ完成してまして、かつ「この話はラストエピソード本編に一切関連しないよなあ」みたいにも思ってたりしたんですが、そこはエゴ全開、「どうしてもこれは物語に入れたいっ」という訳で、エピローグという形で物語のシメとして使うことを決定。「エピローグを入れるならプロローグがあってもいいよね」ってコトで第一話ではなくプロローグから物語を始めることも決定。
・プロローグのサブタイトルの元ネタは言わずもがな栄えある第一話「新しい命」から。




第一話 日直二人ぼっち
・ぶっちゃけたコト言います。この第一話から第五話までにかけて、本当に行き当たりばったりで物語を進めました。行き先は脳汁まかせです。そういうわけで、この一話から五話までは本当に時間がかかりました。ごめんなさいー。
・西山君視点から始まるストーリー。またまたぶっちゃけると、当初の構想では西山君は信奉者で斗貴子さんを救う役回りにしようかと考えてました。斗貴子さんをロッカーに入れたの西山君だと、そんな感じで物語を進めるつもりでした。ところが武装錬金の蓋を開けてみたら、プロットが一瞬にして崩壊。上にも書いたとおり、行き当たりばったりで物語を書くハメになってしまったワケです。
・斗貴子さんが助かったのは日直だったから。これは凄いうまく決まったハッタリだと思ってます。それだけにこの辺の辻褄合わせが大変でした。はてさてハッタリに見合うだけの伏線回収ができましたやらどうやら。
・カーニバルとはホムンクルス達の隠語で「食肉祭」を指す。これはちょっとやりすぎかもしれませんが、まあやるなら徹底的にというコトでドクトル・バタフライの勘違いを無理矢理に。
・私だって戦える。この小説内でやたら連呼されるこのフレーズですが、実のところこの段階ではただ漠然としたイメージだけで言わせてます。この段階であの「切り裂き行為」なんて微塵も考えていませんでした。あと余談として、この小説内での千歳さんのイメージは十巻にあるプロフィールからさかのぼって考えてます。「嫌いなものが戦闘とギャンブルってことは戦闘と賭けに失敗したのが失態ってヤツなんだろかな」、みたいなそんな感じで。この段階で千歳さんは描きたいことが山ほどあったので色々と大変でした。でもその分の達成感は心地よかったです。



第二話 決戦開始は給食時間後
・めちゃくちゃいいサブタイトルだったと自画自賛してもいいですか。しちゃいましょう。
・いきなりまさかのフロム・クレイドル・トゥ・グレイブ登場。本当はもっと引っ張りたかったんですが、もうそれをしてしまうとどこまでも物語が長くなりそうだったので断念。怒涛のスピードでやりたい放題してます。この武装錬金の特性は創造者じゃなくても使える、というのは結構お気に入りのアイデアだったりしまして。
・あのピリオドの日、月から山吹色の光を放ったのはその武装錬金の創造者ではなく別の人物だったことを覚えているだろうか。これは良い説明文章だと思いましー。
・千歳の失態のひとつとして、核鉄を西山少年に渡してしまった、というのをこの段階ではイメージしてたのですが、イメージにとどまってしまいました。ちょっと心残りではあります。
・とにかく状況説明に終始しがちな序盤ですが、面白くなさげなシーンは極力簡潔って感じでとにかく飛ばしまくってます。たぶん丁寧にやってたら物凄い話数になってたんじゃないじょうか。というわけでどうしても荒削りな物語運びに我ながら「もう少しうまい構成のやり方はなかったかなぁ」と今でも思ったりします。これを毎週限られた時間の中でやってるプロの方ってホント凄いなぁ。



第三話 EATER・寄生完了
・この話の後半までは手探りでイメージしてたものを形にするのでいっぱいいっぱいだったんですが、後半でついに脳が覚醒します。この村人全員がすでにホムンクルスに寄生されていたという発想が、行き先なくさまよっていたこの小説の方向を固定したといって過言じゃありません。そしてこれなら火渡の見せ場にもつながると自画自賛全開だったんですが、それがまさかとんでもない矛盾の種を孕んでいようとは。あなたのことですよ、戦士・戦部。



第四話 カーニバル0(ゼロ)
・ホムンクルスのコミューンは、坂口氏を足止めさせるためだけに登場させました。それ以上でも以下でもありません。
・戦士長のもとを離れ学校に集う防人千歳火渡。日誌を求めて走り出す斗貴子。三話半もかけての長い前フリもまとめに入り、ついに物語の描きたかった部分が始まります。そういった意味も込めて、このサブタイトルは気合入ってもじりました。さすが当初第一話にする内容だっただけのコトはあります。



第五話 VS.レイニーエモーション
・一話まるまる使ってのこれからの展開の準備。このしつこいまでの前フリのラッシュは、もはや推理ものの域かもしれません。解決編が凄い遠く感じてました。
・斗貴子さん、掃除箱にイン!。これも本当はもう少し引っ張るつもりだったんですが、ガンガン行こうぜってぐらいに物語を飛ばしてます。とにかく「引っ張る」という言葉はタブーした。ただ、物語の構成として、起承転結の承の段階で伏線回収じみたことをすると、なんつーか盛り上がりに欠けてしまうんだなぁと黄金経験。なんていうか盛り上げたいシーンが淡白に過ぎてしまう感じなんですよね。



第六話 もしもキミが大事な存在を死守せんとする意思を疑うならば
・サブタイトル長ッ。われながらやりたい放題だと思います。
・驚愕のホムンクルス一心同体。五巻辺りの内容と似通ったコトをするのは少し抵抗があったんですが、この場はとある事情のため断念。すべてはそう、戦士・戦部のせいなんですよ。順を追って説明しますと、本来この場はブレイズ・オブ・グローリーで一気に片付ける予定だったんです。ところがパラパラと原作を読み返していて驚愕の一文を発見。「錬金戦団全戦士の中で、ホムンクルス撃破数最多を誇る、記録保持者!!!」「これまで斃した332体の中でも上位に入る力だった!」。…危なく火渡一人で記録を塗り替えてしまうところでした。そういうワケでどうしても敵には少人数、すなわち「一体もしくはそれに準ずる数」になってもらわなければいけなかったんですね。ホントこの辺は綱渡りで物語運んでます。気づいてホントよかったです。



第七話 Which is a friend of everybody
・動物型の人喰いが口経由で、人間型のみ手で喰えるって発想も心底ギリギリの綱渡りでした。いや、これ大丈夫ですよね?動物型ホムが手で人喰いしてるシーンってなかったですよねぇ…。ちと不安。
・恐怖の千歳・ザ・リッパー。この発想もひとえに脳汁さまのおかげです。なーにも考えてませんでしたからね、この辺も。ただイメージとして、千歳さんの畏ろしさってヤツをなんとかして表現したかった、というのがありましただけで。我ながら脳汁のもたらした発想に感謝です、ホント。



第八話 GONE INTO LAIN
・千歳・ザ・リッパーが軽くハメ状態に入ってたのに対する西山少年の起死回生。この辺のやり取りはキーボード打ってて本当に楽しかったです。第八話以降はノリノリでした。
・まるでダイジェスト版かのように進む物語。すべてはこの次の話のためです。一番やりたかった物語のために、言葉は悪いですがこの話には犠牲になってもらいました。ジーク第九話ッ。オーハイル・第九話ッ。
・そういうワケでサブタイトルは第九話「七年前の雨の日」に続くっていう意味もこめています。


第九話 七年前の雨の日
・この話から少し物語の形式を変えてます、サブタイトル前に文章を入れるようにしました。まあ色々と理由はあるんですが、一番の理由はこの話のサブタイトル前とサブタイトル後でどうしても分けたい事情があったから。一番の理由としては、この話では副題以降は全て原作でなされた描写、つまりそういうこと。
・原作でされた描写全てに意味を持たせる回想編を描くことがここまでのラストエピソードの話の目標であり存在意義なわけですが、はてさてうまくいったのやらどうやら。自信はなきにしもあらずだけど満々ってわけでもないそんな感じですね。
・そして物語の中心は千歳から火渡へ。あとは武装錬金の根底にある謎に迫るだけです。



第十話 オレは誰だ?
・火渡編の前編にあたります。火渡が不条理を知ったのがあの雨の日ではなく西山少年を捕まえた時だということは、漠然とですがかなり当初から決まっていました。そういうワケで彼はここまでいいところがあまりなかったわけです。彼の見せ場はここからが本番だから。そしてこの小説の中で一番成長するのは火渡だと思います、フォロー抜きで。
・西山少年、結構あっさりの捕縛。この辺はハショリまくりですね。正直なこと言えば、結果がわかりきっている展開をあまり引っ張りたくなかったってのが大きかったりします。そういうわけで結果のみをたんたんと語る形で西山少年確保ーっ。
・毒ガスは焼き払う。ここらへんは趣味の展開かもしれません。まあ言ってしまえばこの小説そのものが自己満足のシロモノですからね。それでも自己満足するのは簡単なようでとても難しいものなんですけどね。妥協と自己満足は違いますから。私にとって。



第十一話 黒死の同類項
・いわゆる「一番問題の回」。やりすぎってぐらいにやりたい放題です。語られてない設定を勝手に「こうだ!」と言っちゃってるに等しいですからね。とりあえず「これが絶対真実まちがいない!」みたいな描写だけは避けました。…そのつもりです。
・構成の悪さは百も承知、しかしこの辺の発想がこの小説の原点でした。本来なら西山少年と火渡のやり取りの中で徐々に真相として明らかになっていく構成も考えたには考えたんですが、色々な理由からボツ。そのひとつとして、説明台詞の多かった西山少年にさらに説明台詞を吐かせたくなかったってのがあります。まあ他にも色々と。
・連想ゲームに告ぐ連想ゲーム。脳裏をよぎった仮説というかたちで真実に対する解釈のひとつを提示してみましたつもりです。信じるか信じないかはそれぞれがそれぞれで、自分はこの解釈を信じてます。火渡は半信半疑です、しかし錬金術というものに対して疑いを抱き不条理ということは理解した。そういう風に描写してみたつもりです。どうなんでしょうか。
・後ろすぎるサブタイトル。これは前者と後者が同類項だということも掛けてありますね。かつて剛太が考えた「俺たちと…、コイツと…。どっちが本当の化物だ――…」という言葉と合わせてどうぞ。そこんとこまで読解した方がおられましたら、それこそ感極まります。
・そして物語は最後の真実へ。



第十二話 Crimson Moon
・一番最初に書き上げたエピソードです。これも冒頭(プロローグ)として使うか迷ったんですが、結局このような扱いとなりました。あと、それまでの十一話とあまりリンクしていなく感じたので使うかどうかすら迷ったをエピソードだったりもします。
・全ては斗貴子さんに「臓物をブチ撒けろ!!」と言わせるためだけに。この小説における前半の主人公は千歳と防人。後半が火渡と斗貴子さんと言っていいかもしれません。
・そしてまさかのムーンフェイス登場。原作におけるムーンフェイスの扱いの悪さは、実はムーンフェイスそのものがそういう存在だから、という超解釈。これも使うかどうか迷いましたけど、今では使って良かったと思っています。というかお気に入りの場面です。むーん。



最終話 Say,Bravo.
・この小説の全ては、「この話を公開したい」、ただそれだけがモチベーションでした。
・割り切った火渡と、前を向いて引きずるブラボー、後ろ向きに引きずる千歳。それぞれの選択をうまく描けたと思います。当初、この話のサブタイトルは「火渡と防人と千歳と斗貴子の選択」としようかと思ってました。だけど、この「Say,Bravo.」というタイトルが閃いて本当に良かったと思います。コレしかないっというタイトル、個人的に全話中一番のお気に入りサブタイトルです。
・斗貴子さん、戦士に。ブラボーが斗貴子さんが戦士になるということを認める、という描写は最重要事項でした。本当に、この話が書けて良かったと思っています。
・ラストのシメは斗貴子さんが剛太に言ったあの言葉を。斗貴子さんの物語として語るには、この言葉以外の幕の下ろし方は無いと思います。



エピローグ GIRL MEETS HEARTFUL BOY
・冒頭のポエムは、自分の武装錬金に対する正直な気持ちを随所に込めて。過去の希望とは、そういうことでもあります。
・そして奇跡のサブタイトル。奇しくもプロローグのサブタイトルは原作第1話から、エピローグのは原作最終話からとなってます。そういう風に物語がうまく動いてくれて本当に良かったです、はい。
・カズキの核鉄を使って斗貴子さんが戦うという趣味全開ワールド。これだけは、たとえラストエピソードそれまでの物語とほとんど関わりが無くても、物語として使いたかったどうしても譲れない大事なシーンでもあります。すべてあくまでも斗貴子さんの視点で。
・まさに殺りたい放題なぐらいのストロベリー。わたくしのコトを「こういうの書くようなキャラじゃないだろ」とか思ってくれた方おられましたら正解です。慣れないことしたので、書いてて異様なテンションになりました。結果やれること全部やらかせました、なんだかんだで最高に満足ってヤツだー。
・そして、まさかのパピヨンでシメ。これ、無い方が絶対終わり方としては綺麗に終わるんですが、むしろ無いと駄目だろ、とも思います。そんなワケで最後までやりたい放題のまま幕!







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あとがき

最後までご愛読いただけた方、本当にありがとうございました。武装錬金ラストエピソード、これにて幕となります。

思えば一年と少し前の武装錬金打ち切り。思い返すだけでも嫌になるぐらい打ちのめされました。たかが物語、されど物語。あんな形で武装錬金という物語がもう読めなくなるという現実、それはもう辛いものでした。これはもう言うまでもありませんね。

それからの一年、いちファンとしては辛いものでもありましたが、それでも「ファイナル」「ピリオド」そして「アフター」と経まして武装錬金は見事に「完」となり、あとは自分がいかに吹っ切るか、それだけとなりました。
私は物語というものを予想妄想をガンガン膨らましながら読むクチなんですが、そういった予想妄想に対する答えが不十分に感じられた部分、その全てを消化するのが、この小説を書くに至った原始でもあります。

アニメ化だったりドラマCDの続編、はたまた黒崎先生による小説化の噂まで、まだまだ全然死んではいないこの「武装錬金」という物語ですが、それでもこの小説を経まして自分の中では一区切り。おかげでこれからはもう少しだけ前を向いてまた色んな本を愛でていけそうです。

オリジナルキャラクター(ある程度の個性を持った原作に無い名前キャラ)を出さないという制約、引用を多用してやり過ごした台詞回し、そして邪道に近い文章表現。ナリフリ構うところは構い、それ以外は本当にナリフリ構わず書き上げました。あがきまくりました。そしてあがいてみて本当に良かったと思っています。書きたいことは、ほぼ全て小説に詰め込みました。詰め込めました。

まあこれから先のアニメ化とか小説による「黒歴史化」は、(ある程度覚悟していたとはいえ)、ちょっとキツかったりしますけど(笑)、まあ当サイトを立ち上げた目的のひとつはこれで完遂。
これからは、また他の目的を目指して前進できたら、と思っています。



それではでは、また次の更新でお会いしましょう。






                             九月某日 空中楼閣EX管理人  EX’l BLUE







(以下おまけ「小説書きに100の質問」)
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1999/09/20(Mon) | 小説・武装錬金LE | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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